その子の苦手な部分を見つめ、なぜ苦手か考える
人それぞれ、苦手な事があります。その苦手な事を克服するためにどのような事をされているでしょうか。苦手な事を繰り返し練習するというのもそうでしょう。しかし、例えば、ボールをキャッチするのが苦手な子が、視力に問題を抱えていたとしたらどうでしょう。この場合、キャッチの練習を何度も繰り返すのではなく、まずやるべきことは眼科で見てもらったり、メガネをかけて視力を矯正したりすることのはずです。
学習面でも同様です。ノートにうまく字が書けないのが、きちんと字を書く練習をしていないからではなく、黒板や教科書からノートへの視線移動がスムーズに行えない結果なのかもしれません。こういった事は、「苦手だなぁ」で終わらず、苦手な事に取り組む様子をじっくりと観察してみると、その原因が見えてくることが多いものです。
苦手な原因が分かればそれを解消するための配慮やトレーニング
苦手な原因が分かれば、それを解消するための配慮やトレーニングを行いましょう。例えは、今書き写している行だけが分かるように、一行分の窓の開いた厚紙を用意するとか、書き写す文字がすぐ隣にあるようなプリントを用意するとか、いろいろな配慮ができそうです。
配慮と同時に、その子自身も苦手の原因を解消できるようなトレーニングに取り組むといいでしょう。配慮がなくても自分で乗り越えられる力を身に付けさせることが究極の目標です。ただ苦手な事に手立てなく取り組むと、自信をなくしたり、嫌になったりします。こうなっては、トレーニングにはなりません。その子が、乗り越えられる適度な課題を用意して、継続的にトレーニングできることに取り組ませる必要があります。
ここで用意したプリント類は、そんな苦手を克服するための、トレーニング用の課題です。例えば、視線移動がスムーズにできない子のために、漢字の読み仮名をあえてバラバラに配置し、それを探す過程で視線の移動を促すような作りにしています。子どもの実態を見て、利用できそうなプリントがあればぜひご活用ください。