特別支援学級で効果的な市販の用具や教材

お勧め市販の用具や教材記事

 通常学級の子ども達であれば自然に身に付けている筋力であったり動作であったり習慣であったりを身に付けることが難しいのが,特別に支援の必要な子ども達です。実態把握を行い,それを元に課題を克服するために手立てを考えていきますが,その子の実態にあった用具や教材を用意してあげると,能力の獲得にとても役立つことがあります。ここでは、私が実際に担当する子ども達に使って効果のあった市販の用具や教材を紹介します。特別支援学級やご家庭で購入される際の参考になさってください。

その1 ムービングクッション

 ムービングクッションについては,作業療法士の先生から教えていただきました。直訳すると,「動く座布団」というところでしょうか。とても不安定なクッションなのでバランスをとりながら座らなければなりません。

 姿勢をよくして保持するためには背筋と腹筋が必要です。特別支援の対象の子どもたちの中には元々それらの筋肉がつきにくい場合が多いそうです。そのため,姿勢が保つことが難しく,すぐに机に突っ伏した格好になり,学習に集中することもままならないことがよくあります。そこで授業中や家庭での学習中,ムービングクッションに座り腹筋・背筋を強化して姿勢を正すことが有効となります。何故強化されるかというと,常に動こうとするので体の安定を保とうとすることのようです。

 又,多動の特性を持つ特別支援対象の子どもには,ムービングクッションに座ることで意図的にじっとできない状況を与えてそこで「多動性」が満足すると,席を立ったり走り回ったりしないという効果もあると聞きました。子どもたちは結構座りにくい状況を楽しんでいます。

ただ,過敏な子どもには不向きで,クッションの凸部に不快感を示す場合もあります。

同様に体幹を鍛えるアイテムとして、下の2つもおすすめです。

その2 エジソンのお箸

 これは,有名なお箸です。特別支援対象の子どもでなくても,幼児の時にお箸の持ち方を矯正するのに使うためにも使われています。

 特別支援教育の対象の子どもは,手先が器用でないことが特徴であることはよく知られています。目と手の協応がうまくいかず重い通りに指先を動かせないことも多いです。そこで、正しい箸の持ち方を学習することで、箸の扱いだけでなく手先の巧緻性の向上にもつながると考えられます。

 注意することは、学校で使用する際には周りの子どもたちへの説明が必要なことです。特別な用具を使う時は配慮が必要です。周りの子に説明することで、温かく見守ることを啓発することができます。

 筆記用具ならこちらもお勧めです。シャープペンシルは学校で禁止されているところも多いかもしれませんが、これは力を入れずにすーっと書けます。とても軽くて書きやすく持ちやすい筆記用具です。鉛筆で書くのが苦手な子に試してみる価値はあると思います。

その3 セラパテ

 このセラパテは作業療法士の先生から教わりました。一言でいえば,かたい粘土と言えます。指,てのひら,手首を鍛えるのにちょうどよい量の,トレーニング用シリコンパテです。粘土状ですが,普通の粘土とは違い,容器の外に出しておいても固くなったり乾燥したりしません。

 指の力がないために様々な作業や活動を行う際にうまくできない特別支援対象の子どもが多くいます。指の力をつけることに有効なものだと言えます。

 指の力がつくと,キャップがスムーズに開けられたり,服のジャンバーの開け閉めが自分でできたりと便利なことがたくさんあります。作業療法士の方は,セラパテでお団子を10こ作る,セラパテの中にビー玉を入れてピー玉を取り出すなどの課題を子どもに与えて取り組ませておられました。高齢者の方の機能訓練,アスリートのトレーニングにも使われているようです。

その4 ソーシャルスキルかるた

 特別支援教育の対象の子どもには人間関係の構築が難しいことが多く見られます。そこで,場面ごとのカードを用いて日常のよくある光景をもとに絵を見ながらどうすればよいかを学んでいくものです。特に発達障害と言われる子どもたちには,どうふるまっていいか自然に学ぶことが難しいので有効です。カードを見ながら学習すると,意外なところで人間関係の構築に障害になっている点が見えて気づかされます。子どもの実態把握にもまた手立てとしての道具にも使うことができます。

 ソーシャルスキルかるたは、小学校に入学したときに必要なソーシャルスキル(社会生活技能)を子どもたちが遊びながら自然に身につけられるかるたです。このかるたは100枚を5色に次のように色分けされていて,それぞれのかるたが、20枚ずつになっています。


 読み札の最後の言葉が絵札の方に表示されていますので,最後まで聞かないとわからないようになっています。何度も行っている内に言葉を覚えてしまうので,人間関係を構築していく上での大事なキーワードが頭に入っていきます。

その5 らくらくばさみ

 らくらくばさみは持ち手のところに弾力性があり、軽く握るだけで切ることのできるはさみで、介護の現場などでも活用されています。
 手先の器用性に課題がある子どもにとって容易に切れるのでストレスが少ないようです。ただ、楽に使えるからと言って一般のはさみを全く使わないということが不適切な場合もあります。
 らくらくばさみから通常のはさみに移行できるタイミングがあれば、それを逃さないようにして欲しいと思います。

らくらくばさみ小 (青)
アビリティーズケアネット

 他にもはさみには、二人用はさみといって、使う子どもと支援者とが持ち手の所に同時に手を入れて切ることのできるものも販売されています。また置いて片手で押すだけでも使えるカスタネットのようなはさみもあります。

その6 アソブロック

 これは、主に男の子に人気があります。オリジナルのロボットや怪獣のような形ができるので、合体させたり戦わせたり男の子の心をくすぐるようです。ブロックをはめる感触が少し固めで、カチッという感じで組めるのでその感覚も男の子好みなのかもしれません。

 同じブロックを使っているのに、子どもによって出来上がるものが違って、個性が出るのもおもしろいと思います。また、たくさんのブロックの中から欲しい形を探すという行為が、眼球運動にもなるのでお勧めです。

 ビーズも紹介しておきたい玩具です。ビーズは女の子向きと思われますが、男女問わず大人気です。「ビーズ」と言えばビーズ通しのようなものを想像しますが、どちらかというとブロックを組み合わせるような感覚です。楽しみながら創造性を高め、手指も柔軟かつ力も強くなっていきます。

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