ADHDやLD、自閉症スペクトラムなどの発達障害に関する基礎知識や実態把握の方法論、視覚支援の実例など、特別支援教育に関わる上で知っておくべきこと、知っておくと役に立つことをまとめています。

自閉症スペクトラムについて-定義と判断基準

(1)定義
自閉症スペクトラムとは,「自閉症」,「高機能自閉症」,「アスペルガー症候群」の総称です。正式には「広汎性発達障害」(PDD)と言われています。
2013年,DSM-5第5版が出版され,「広汎性発達障害」というグループ名が廃止され「自閉症スペクトラム」が診断名として採用されました。そこでは,「広汎性発達障害」「発達障害」では対象でなかった,障害でないタイプの人たちまで含めて考えているところが特徴的です。
それでは,「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」の定義について述べましょう。
「自閉症」は,DSM-Ⅳにおいては,広範性発達障害に分類されている自閉症障害に概ね相当しています。広汎性発達障害とは,社会性の障害を中心とする発達障害の総称で,自閉症の上位概念です。ここでいう「広汎性」とは,発達において全般的に不均一に表れている状態を意味しています。

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 「自閉症」の基本的な特性は,(ア)社会性の障害,(イ)コミュニケーションの障害,(ウ)反復的で常動的な興味・行動の3つが挙げられます。そしてできることと苦手なことに大きな差があるということも特徴的です。
「高機能自閉症」は,知的発達の遅れを伴わない自閉症を指します。「アスペルガー症候群」は,知的な遅れを伴わないで,コミュニケーションの遅れが軽微であるグループと言われています。また,広汎性発達障害の児童生徒には,不器用な者が多いという特徴があります。
何度講演を聴いても,本を読んでもこれらの障害の線引きが分かりにくいのですが,実際には重複している場合が多いです。二次障害として症状が出ている場合や虐待などのために障害として症状を呈している場合もあります。医師によっても診断が違うこともあることを考えると,あまり診断名にこだわらずその子ども自身を見て実態を把握する必要があると思います。


(2)判断基準
では,基本的な障害特性について具体的に挙げてみましょう。
(ア) 社会性の障害 ・一人遊びに没頭する。
・自分の好きなことを質問し続ける。
・かかわり方が一方的である。
・ルールに従った遊びが難しい。
・仲間関係をつくったり相手の気持ちを理解したりすることが困難である。
(イ) コミュニケーションの障害 ・話し言葉やジェスチャーを示さない。
・反響言語(エコラリア)だけを話す。
・話し方が流暢であるが,奇妙な言葉づかいをする。
(ウ) 反復的で常同的な興味・行動
・毎日同じ服を着る
・日課や物の配置,道順などがいつも同じであることに固執する。
・体を前後にゆらしたり,手をひらひらさせたりする。
・手をかんだり,頭を何かにぶつけたりする自傷行動がみられる。
*ただし,これらの常同行動や自傷行動は,重度の知的障害のある児童生徒や大人でも見られます。



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